鳥の劇場で夜10時からの公演「いかけしごむ」「紙風船」という2本の演劇を観に行きました。

鳥取でこんな夜更かしが楽しめるなんて。

特に「いかけしごむ」ですが、タイトルからして何だろう、何の話か想像できず観るまでの私の脳の中では

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こんな感じに、いかの形を彫った消しゴムはんこが浮かんでました。

いざはじまると、闇に囲まれた、人通りのない街の路地裏みたいなところで、

1人の女が、初対面の男をつかまえて、女の空想話をあたかも男の真実であるかのように 刷り込み、

男は「あれ、はじめはそうじゃないと思ってたけど、自分が思っていたことの方が空想で、

何だかこの女の言ってることの方が本当のことなのかも」と思ってしまうという、

巧みなセールス、勧誘の魔術にかかってしまったような感じで、女とは別れる。

女が男に押し付けた話は、実自分の現実で遭ってしまったつらい事件のこと。

その現実といやでも向き合わなければならない現実・・・。

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みたいな話でした。

男の話す男にとっての現実というのは、

イカから「いかけしごむ」を作り出す発明に成功し、商売の危機感を感じたけしごむ協会の人が雇った 『ブルガリア暗殺団』に命を狙われていること。

だったんですが、女は「そんなこといって世間まわろうとしているんですか、やめときなさい。あなたはそう思おうとしているんでしょうが、あなたの真実はそうではないのです・・・」と

別のネタを刷り込んでいくんですが・・・

イカから、消しゴムを作ったなど、このお話が作られたころに聞けば、エキセントリックな発言を 男はしているような気がしますが、

現代を生きる者として、その発言を聞いた私は、

「まぁ、今の時代、イカから消しゴムだって作れるでしょ」 と思いました。

劇場の外の掲示に、アンドロイドが演技している様子が張り出されているそういう時代だから。

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ぜひそのいかけしごむをかじってみたいと思いました。

あと、『ブルガリア暗殺団』という言葉を聞くたび、頭をよぎりました。

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ヨーグルトが刷り込まれていますね。