蔵を開けたらボロボロの紙に墨文字が・・・こ、これは貴重な史料に違いない!公文書館に持って行ってみよう!とはなかなか思いつかないものである。

さる12月3日に鳥取県立博物館で開かれた講演「古記録で読み解く古代中世の鳥取」の中で、岡村吉彦鳥取県公文書館県史編さん室長による「棟札に見る戦国武将の寺社造営-尼子氏の大山寺造営を中心に-」を聴講しました。これは2017年3月に刊行された「新鳥取史 資料編 古代中世2 古記録編」の刊行を記念してのイベントでした。

建物の棟上げのときに建築に関わる内容を書いた板、「棟札」で、古文書だけではわからなかった情報を新たに得ることができたそうです。私はこれを「むなふだ」と読むということさえ知らないほどでありましたが、その墨の滲んだ木片から、当時の人々の営みや寺社の歴史を示す手がかりがわかるというお話を聴き、郷土の歴史を後に継ぐことや、そのための史料を遺すことの重要性に想いを馳せる内容でした。